私は、サービス付き高齢者住宅(サ高)という施設で、ヘルパーとして働いてます。
ヘルパーとして働いたことがあるのは、サ高だけ。
だから、他のところと比較とかはできません。
が、これはすごくいいかもと思った事があります。
それが「サ高でのお看取り」
そもそもサ高ってどんなところ?
ご高齢の方が住まわれるところですが、皆さんが介護サービスを受けているわけではありません。
自立して生活される方もたくさん。比較的元気なうちから「マンションの一室」として借りて住まわれる方もいらっしゃいます。
なので、生活としてはかなり自由度が高いです。
医師や家族がOKであれば、外出や旅行などもご自由に行かれますし、お客様を招く事も可能です。
ご自宅ですから。
普通のマンションとの違いは、ヘルパー、施設によっては看護師が常駐し、何か気になる事があったらすぐに相談できる場所がある。そんな安心がついた自宅マンションという感じですね。
(とは言っても、サービスを受けるにはお金がかかる。というところはデメリット?それについては次回)
介護サービスを受けられている方ももちろんたくさんいらっしゃいます。
訪問での介護サービスを、同じ施設内にいるヘルパーが伺って行うというのが一般的です。
(もちろん、ご希望の外部のヘルパーさんに来ていただくのも良いのです)
あくまでご自宅マンションという扱いですが、付かず離れずの様々な人間関係があることは、潜在的に安心感が生まれるなって。そんなところがサ高です。
最期は、病院か自宅か
今年に入り働くサ高と、以前働いていたサ高で、お亡くなりになる方が続きました。
皆様ご自身のお部屋で、ご逝去されました。
昨年より前の話ですが、施設では利用者様の具合が悪くなると救急搬送され、そのまま病院で最後を迎えられる方もいらっしゃいました。むしろそのほうが多かったし当たり前だった気がします。
今年はコロナの影響で、ご高齢の方でもう残り少ないかもしれないとなった際に選択肢として施設にいる事を勧められているようなところがあります。
コロナの時期、病院ではご家族の面会はかなり厳しく制限される事があるからです。
ご家族の判断になりますが「病院か自宅か」その二択になるとほとんどの方が、施設でのお看取りをご希望されます。
医師から「お看取り」という話がでたら、変な話ですが、私たちは「心構え」をし対応します。
できるだけご家族のご希望に添えるように、何より、ご本人にとって辛くない環境を整える事を全力でサポートしようと考えます。
お一人でお住まいのご自宅だと、いつ旅立ってもおかしくないという状況で、1人で1日を過ごさせてしまう事になるので、仕方なく最期を病院で過ごされる方はとても多いと思います。
もしご自宅でご家族もずっと近くで過ごされる事ができればいいですが、夜中にずっと起きていたり日常生活をストップさせていくことは、難しい状況もあると思います。
そんな時こそ、サ高はご家族にとって心残りのない最期を過ごす事ができるんじゃないかと。
・ご家族は24時間自由に出入りする事ができ、お部屋で自由に過ごしていただく事ができます。
一緒に好きな音楽を聞いたり、手や足をマッサージしてあげたり、身体を拭いてあげたり・・・
何かあった時、不安があったら、スタッフがいるという安心感の中で、ゆっくりできるのはすごくいいなと感じました。
・数時間ごとに巡回を行うので、1日1人で過ごす事がありません。ご家族が来れない時は、共に過ごした顔なじみのスタッフや看護師に任せられます。
24時間一緒にいることはできませんが、定期的に様子を見にいく事ができる「馴染みの顔」のスタッフがいるのは、心強いのではないでしょうか。
とある晩、巡回時にお看取りに入られた利用者様が、息をされていないとスタッフが見つけた時。
その瞬間に誰も見届けることは出来なかったですが、まだまだ温かく柔らかく。
ご家族が翌朝いらっしゃるまでも、1人で過ごされることはありませんでした。
翌朝、お母さまの身なりをどうやって整えて良いのか分からない。との息子さんの申し出にいつも担当していたスタッフや看護師さんで、いつも通りのお化粧をし、いつも通りにカーラーで髪をカールして、大のお気に入りのお洋服に身を纏い、いつもつけていた香水を香らせて。
いつもそばで見守っていたスタッフだから、分かる部分もあるかもしれないです。
息子さんも、大変喜ばれていたそう。
変わりつつある事
何かあったら、病院に搬送され亡くなるというのが当たり前の流れのような時があったので、果たしてこれで良いのだろうか?ヘルパーなりたての私は、行き届かないサービスに疑問を感じていた事もありました。もちろん、それはご家族のご意向通りだったのですが、今思うと選択肢として五分五分じゃなかったんじゃないか?って思う事も。
コロナになり、医師からの勧めもあると「在宅での看取り」という事のハードルがさらに一段下がったのかなと思います。特に、サ高でのお看取りは自由度が高く、後悔のない形での旅立ちのサポートが出来るなあ。
そんな風に感じる、この頃。
仲の良い利用者様が「私はもうあんまり長くない」と元気よく話されるので、
「最期まで見届けるから安心して〜」と話すと「あんたがいると思うと、安心よ〜」とのこと。
何より何より。
何着たい?なんて会話も、楽しくしております。
*あくまで個人的見解であり、全てのサ高がそれが出来るとは限りませんよ。